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4.接地設計

5)共用接地の注意点

電気設備の技術基準の解釈第18条では【工作物の金属体を利用した接地工事】として建築構造体を共用接地として用いる場合の条件を示しています。この接地方式は、捉え方によっては“等電位ボンディングを施せば接地抵抗は高くても大丈夫”と考えてしまう場合が見られます。しかし、このような考え方は、非常に危険な状況に陥るケースがあります。
例えば、図4−4にあるように、等電位ボンディングにより安全対策をとっているビルに大きな受電設備が併設されている場合を考えます。この時、建物自体に電流Iが流れ込んだ場合、建物の電位Vは、接地抵抗R×電流Iで表されます。従って、接地抵抗が高ければ高いほど接地電位(接地電圧)が大きくなるということは容易に想像できます。このようなビルで一線地絡事故や雷電流などの大きな電流が流れ込んだ場合、どのような影響があるでしょうか?
建物電位がいくら大きくても、建物内の人や設備は等電位化が図られているので危害はありません。しかし、ビルの敷地以外にある周辺構造物に人が触れていれば、金属構造物との間で発生する接触電圧で感電してしまう恐れがあります。また、隣接する住宅などでは接地線と電源線や通信線間で発生する電位差で機器の破損もしくは火災が発生するかもしれません。このように構造物が密集した都会で大きな電位を発生させることは、周辺に及ぼす影響が非常に大きなものとなります。

図4−4 構造体接地で接地抵抗が高い場合の周辺への影響