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3.支線アンカーの設計

Q.302 支線アンカーの配置と耐張力の関係

支線アンカーの施工は、支線角が45゚〜65゚となるように設置します。例えば、支線角60゚におけるアンカーの耐張力T (kN) と対象柱に生じる最大抵抗曲げモーメントの関係は、以下となります。
支線角60゚におけるアンカーの耐張力T (kN) は、水平方向にベクトル分解するとT/2 (=T×cos[60] ) となり、支線設置高さh (m) とすると、抵抗曲げモーメントM (kN・m) との関係はM = T /2×hとなります。参考例として、1柱に1アンカーで支える最大抵抗曲げモーメントMの関係を図9 (a) に、1柱に2アンカー (45゚正対) で支える最大抵抗曲げモーメントMの関係を図9(b) に示します。

アンカーと最大抵抗曲げモーメントMの関係

図9 アンカーと最大抵抗曲げモーメントMの関係

例) 関東ロームのN値4〜8において、支線設置高さhが5mおよび10mとしたとき、それぞれのチコーアンカー80型が支えることが可能な地際に生じる対象柱の最大曲げモーメントを求めよ。ただし、チコーアンカー80型に生じるアンカー耐張力は(最大耐張力から)安全率2とし、1体のアンカーで支えるものとする。また、アンカーの支線角は60゚とし、関東ロームのN値4〜8におけるチコーアンカー80型の最大耐張力を表4に示す。

表4 チコーアンカー80型の最大耐張力(関東ロームのN値4〜8)
規格ごとの最大耐張力(kN)
1 号 2 号 3 号 4 号 5 号 6 号 7 号 8 号
19.0 31.0 42.0 49.0 56.0 68.0 82.0


解) 手順としては、はじめに安全率を加味した耐張力を算出する。なお、安全率を加味した耐張力が表1に示す許容荷重以下であることを確認する。次に、算出した耐張力を水平方向にベクトル分解(水平力の算出)した後、最大曲げモーメント(水平力×距離)を算出する。手順に従った最大曲げモーメントを以下表に示す。

表5 手順に従った最大曲げモーメント
規 格 N値4〜8耐張力(kN) 許容 水平力
(kN)
Pa=Ta・cos(60)
最大曲げモーメント
(N・m)
M=Pa・h
最大 安全率(2) 荷重 判定
Tu Ta=Tu/2 (kN) h=5m h=10m
1 号 19.0 9.5 ≦9.8 OK 4.75 23.75 47.50
2 号 31.0 15.5 ≦19.6 OK 7.75 38.75 77.50
3 号 42.0 21.0 ≦29.4 OK 10.50 52.50 105.00
4 号 49.0 24.5 ≦39.2 OK 12.25 61.25 122.50
5 号 56.0 28.0 ≦49.0 OK 14.00 70.00 140.00
6 号 68.0 34.0 ≦58.8 OK 17.00 85.00 170.00
7 号 82.0 41.0 ≦68.6 OK 20.50 102.50 205.00