6.接地抵抗測定
4)抵抗区域の例
大地抵抗率100Ωmの大地に半径0.1mの半球状電極が埋められていると仮定します。この時の半球状電極の接地抵抗は159.2Ω(以降、真値と呼びます)となります。この電極にI〔A〕の電流を流した時、地表面に現れる電位分布を計算します。なお、電流補助極は無限遠点に配置するものとします。

P点 |
EからPまでの距離 〔m〕 |
電位差 E-P V1〔V〕 |
抵抗値 V1/I〔Ω〕 |
真値との誤差 〔%〕 |
---|---|---|---|---|
P0.5 | 0.5m | 127.4V | 127.4Ω | 20.0% |
P1 | 1m | 144.3V | 144.3Ω | 9.36% |
P2 | 2m | 151.2V | 151.2Ω | 5.0% |
P5 | 5m | 156.0V | 156.0Ω | 2.0% |
P10 | 10m | 157.6V | 157.6Ω | 1.0% |
P20 | 20m | 158.4V | 158.4Ω | 0.5% |
P50 | 50m | 158.9V | 158.9Ω | 0.2% |
接地抵抗値を測定する場合、表6−1のV1にあたる電位差(E極とP極の間の電位差)と電流から接地抵抗は算出されます。表からも分かるように、E極とP極の間隔を広く取るほど真値に近づくことがわかります。
例えば、表6−1における真値との誤差を見ると、5%以下とする場合のE極とP極の間隔は2m以上となりますし、誤差を1%以下とする場合のE極とP極の間隔は10m以上となります。このように、接地抵抗はその誤差範囲によりますが、接地極を中心とする有限の範囲(抵抗区域)内に収まっていると考えられます。
ただし、この抵抗区域及び電位分布曲線の形は、接地極の形状・大地抵抗率の大小・接地抵抗値等によって大きく変わります。